一柳の感想文、反省文、ポエム

感想文、反省文、ポエムを書きます。

なんで三大数学者はアルキメデス、ニュートン、ガウスなのか

ボツ原稿が出てきたのですが、もったいないし、書くことも枯渇しているので再利用します。2017年10月ごろの作品です。

この記事は大げさなタイトルがつけられていますが、病床の一柳さんが寝ながらテキトーに考えたことであり、特に数学史の学問的背景を踏まえたものではありません。本職の数学史家が出てきたらワンパンチで沈められるほどの内容ですので、ムキになって飛びかかってこないように。そもそもポエムサイトだからそんな人は出てこないか。

世界三大数学者というと、アルキメデスニュートンガウスということになっているらしい。数学業界の常識なのだろうか。数学を外からほんの少しかじった、いや、かじってすらいない。なめてみた程度の自分からすると「もっと適任はおるやろぉ」と思うのだが、数学の専門教育を全く受けてないのでわからない。
三大数学者はアルキメデスニュートンガウスらしいよ、と数学ファン(数学者ではない)に言ってみると、妥当だという人もいれば、オイラーはどうか、ラマヌジャンはどうなんだという声もあり、すぐにスーパー数学者大戦が始まってしまう。
「バキ」で誰が強いかの議論と同じく、こういう幼稚な話は、俺たちのようなアホをワクワクさせるものである。

誰が世界三大数学者とか言い出したんだろうと思って検索してみてもよくわからない。ただ、アルキメデスニュートンガウスという並びで面白いものを見つけた。高木貞治が何かの本で、微分積分を一段階上に押し上げてきた数学者として、その3人を挙げているらしい。アルキメデスが古代に取りつくし法を発明し、ニュートン微分積分を考案し、ガウス微分積分を近代化させた、こういうわけらしい。
もし高木あたりから、世界三大数学者が日本に紹介されたのだとすれば、その3人が挙げられたのも理由を含めて理解できるが、それにしてもなんとも解析学中心主義だなぁとおも思う。
ここまでで、「なぜ三大数学者はこの3人なのか」という疑問は解けた気がするけど、高木貞治は代数の人なのに「なぜ解析中心で3人がまとめられたのか」という疑問と「誰が言い出したのか」という疑問は残る。

もうちょっと検索をすすめてみると、ハーディが面白いことを言っているのを見つけた。俺たちと同じように、スーパー数学者大戦みたいな話が好きだったらしいハーディは、アルキメデスニュートンガウスは特にすごい人たちで、ラマヌジャンはそれらに匹敵すると言っているようだ。
イギリスの解析学者が並べたらこうなるなぁということはよくわかる。ハーディは随筆や解説書もよく書いていて、整数論の本もある。これらを高木が日本に持ってきたとみると、非常にわかりやすい流れが見える。
もし仮に、ハーディのチョイスが三大数学者を決めたという予想が正しいとすると、歴史を書いた人、歴史をまとめた人、ヘゲモニーを握ることというのはすごい重要なんだなぁと思う。
哲学の歴史をみても、似たようなことを思う。古代三大哲学者はソクラテスプラトンアリストテレスとされることが多いが、それもアリストテレスが書いたものが残ってるからそうなっているようだし、カントが偉いとされるのも、ヘーゲルが「経験論と合理論をまとめたドイツ観念論すげぇ、カント先輩すげぇ」といっているようだし。

冒頭の問いに戻ろう。
なぜ世界三大数学者はアルキメデスニュートンガウスなのか。
それはイギリスの解析学者が、解析学を中心にまとめたから。こうまとめることができるだろう。

だから一柳はこう思うのです。将来、東工大素数中心主義者が数学の歴史をまとめて、エラトステネス、オイラー、リーマンが世界三大数学者になったら面白いなぁって。