一柳の感想文、反省文、ポエム

感想文、反省文、ポエムを書きます。

「バールのようなもの」はバールではないが、「鈍器のようなもの」は鈍器だ。

 幼児期にアトピー性皮膚炎という診断を受けたことがあるらしいのだが、運よくとても軽度だったためか、小学校中学年からいままで、特に肌には困らない人生を送ってきた。

 

 しかし、最近、どうもおかしい。手の甲が非常に荒れる。かゆみや乾燥だけでなく、出血もある。20年ぶりになにか肌から逆襲を受けているのだろうか。例年より手を洗う回数が増えたから手が荒れているということはないはずだ。去年や前職のころの方が念入りに手を洗っていたくらいだから。手の甲だけではない。足のつま先にも、歩くと痛みが走るのだ。

 

 何か悪い病気にでもかかったのだろうか。Googleで肌の荒れやつま先の痛みと入れて検索してみる。すると、新型コロナウイルス感染症の情報が出てくる。

 〇〇病院では、つま先の痛みなど、しもやけ様の炎症で受診した患者のうち、76%が新型コロナウイルス陽性者か、濃厚接触者であることがわかった、などという記事。

 待て。まだ慌てるような時間じゃない。医療記事というのはセンセーショナルに煽るところがある。それに信用できる記者が書いた記事とも限らない。

 しばらくネットサーフィンをしていると、ある記事に目が留まった。

「それって“しもやけ”かも」

 そうか、しもやけのような症状が出た場合、真っ先に疑うべきは、しもやけだった。

 

 高校のころ、友人のSくんの家に遊びに行った時のことを思い出した。Sくんが「これは俺の父親が、チャーシューの製法で作った豚肉だ」と言って皿を出した。俺たちはすかさずツッコミを入れた。「それをチャーシューというのではないのか」

 

 犯罪報道では「刃物のようなもので切りつけ」という言い回しがされることがある。凶器が見つかってないから、刃物であると断定することはできないのであろう。刃がなくても切れることはあるからだ。しかし、「鈍器のようなもので殴りつけ」と言われるときに、よく思う。殴ってダメージを与えることができたのであれば、それは鈍器だろう、と。